【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (1/3ページ)
産経ニュース 2009.年9月2日 13:11
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2023-29/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021314009-n1.htm
【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (2/3ページ)
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2026-37/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021314009-n2.htm
【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (3/3ページ)
http://s01.megalodon.jp/2009-0903-2028-14/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021314009-n3.htm
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (1/3ページ)
産経ニュース 2009年9月2日 13:42
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2031-37/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021350010-n1.htm
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (2/3ページ)
http://s01.megalodon.jp/2009-0903-2034-52/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021350010-n2.htm
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (3/3ページ)
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2036-48/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021350010-n3.htm
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (1/3ページ)
産経ニュース 2009.年9月2日 14:02
http://s02.megalodon.jp/2009-0903-2039-37/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021410012-n1.htm
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (2/3ページ)
http://s04.megalodon.jp/2009-0903-2040-46/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021410012-n2.htm
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (3/3ページ)
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【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (1/3ページ)
産経ニュース 2009.年9月2日 13:11
《約15分の休廷を挟み、午前11時20分すぎに審理が再開した。法廷に田嶋靖広被告(22)が再び現れ手錠などが外された後に入廷してきた6人の裁判員と3人の補充裁判員。小川賢司裁判長が同日の今後の手続きについて説明を終えると、検察官が平成18年に田嶋被告が犯したとする強盗強姦事件、「第1事件」の証拠説明を始めた》
検察官「これからお示しするのは、今回の裁判で判断していただく元となる証拠です。お示しするのは、証拠を一覧表にまとめたものになります」
《裁判員の手元にあるモニターや、傍聴人も見ることができる壁掛けの大型モニターに、9つの証拠が個条書きで映し出された》
検察官「お手元の現場見取り図もご参考にしてください。証拠につきましては、裁判所に提出するもので、メモをとっていただく必要はありません」
「私の説明をよく聞いて頂ければと思います。プライバシーのため、壁のモニターは電源を切ります」
《検察官は裁判員に念を押し、壁側のモニター画面の電源が落とされた。検察官の証拠説明が始まる》
検察官「『Aさん』方の住所や現場の状況をお示しします。プライバシー保護のため朗読しませんが、起訴状にある通りです」
《事件があった『Aさん』方の見取り図や、警察官らによる犯行状況の再現画像が裁判員の手元にあるモニターに映し出される》
検察官「Aさん方は2階建てアパートの1階でした。モニターをごらんください」
「被告は四畳半の寝室の窓から侵入しました。窓を外から写した写真が次になります。寝室の外側は狭い通路のようになっていました。その窓を近くから写したものが次になります」
《向かって左から3人目の男性裁判員が、小声で隣の男性裁判官と言葉を交わし、モニターを指さしている》
【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (2/3ページ)
検察官「被告人は流し台の扉から取り出した包丁でAさんを脅しました。包丁は写真で示された包丁差しに入っておりました」
「居間にはCDコンポやテレビ台、カラーボックスがあります。Aさんはコンポにヘッドホンをつけ、音楽を聴いているときに襲われました」
《向かって右から3人目の男性裁判員は検察官とモニターに交互に視線をおくる。表情には真剣さが増していく》
検察官「Aさんはカラーボックスの方を向いているときに被告に襲われました。被告はAさんの手提げバッグの財布と、小物入れの茶封筒から現金を奪いました」
「四畳半の寝室にベッドがございます。寝室の入り口付近から写したのが次の写真です。Aさんはこのベッドの上で強姦されました。被告人はドアの陰に潜み、居間にいたAさんを襲ったのです」
《右から2番目に座る女性裁判員は複雑な表情でモニターに見入っている》
検察官「ベッドの上に赤色とピンク色のタオルがあります。被告は、赤色のタオルでAさんの手首を縛り、ピンク色のバスタオルで目隠ししました。タオルはAさん方の脱衣所に干されていたものです」
《男性検察官による現場の実況見分の説明が終わると、入れ違いに女性検察官が立ち上がり、被害者の女性が犯行の様子を証言した調書の朗読を始めた》
検察官「朗読する調書はAさんが法廷で証言しているのと同じようなものとしてお聞きください」
「私はいつものように仕事を終え、午後9時30分ごろ帰宅しました。自宅のアパートは台所、居間付き。私はズボンや上着を脱いで、パンティーとブラジャーの上にシャツを着て、洋楽のCDを聴き始めました」
「背後から襲われたのは、ほぼ1曲目を聴き終えたころ、午後9時40分ごろだったと思います」
「ドシンと、それこそ家が揺れたのではないかと思うほど。背後から飛びついてきて、右側を振り向くと、手袋をはめた腕と包丁が見えました。包丁は形で分かりました。包丁はのど元に突きつけられ、私の首にくっつくほど近くに見えました」
《検察官は、警察官がAさんの証言に基づいて犯行を再現した写真をモニターに示す》
【裁判員3例目(4)】「殺されてしまう!」調書からにじみ出る被害者の悲痛な叫び (3/3ページ)
検察官「そしてすぐに、『言うことをきけ。殺すぞ。これがなんだか分かるか』。私は、何が何だかさっぱり分かりませんでした。合鍵を持っている彼氏かと思いましたが、そんなことはしません。『大変だ、何で、何が起こっているの』と思いました」
「私は腕の手首あたりをつかみ、引き離そうとしました」
《被害者は男の上半身を必死に押して引き離そうとするが、離れない。検察官が朗読する調書によると、田嶋被告は左腕を被害者の首に回し、右腕の包丁を被害者ののど元に突きつけて脅した》
検察官「男の力は強くて、到底かないませんでした。包丁の刃先は、ほんの少しだけ離れただけでした」
「男の目的や、相手の心当たりもなく、訳が分かりませんでした」
「(包丁が刺されば)ものすごい痛いどころか、死んでしまう、殺されてしまうと思い、動けなくなってしまいました」
《田嶋被告はほとんど表情を変えず、朗読に聞き入っているが、白い肌には、少し赤みがさしている。検察官は引き続き、事件の状況を証言した被害者の調書の朗読を続けた》
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (1/3ページ)
産経ニュース 2009年9月2日 13:42
《引き続き、第1事件の被害者Aさんが田嶋靖広被告(22)に襲われたときの状況について、女性検察官がAさんの調書を読み上げて説明していく。場面ごとに、裁判員の手元のモニターに再現写真を写しながらの丁寧な説明。犯行中のAさんと田嶋被告の位置関係を示したモニターの写真に、向かって右から2人目の女性裁判員が口を曲げる場面もみられた。傍聴人も見ることのできる壁掛けの大型モニターの電源は切られたままだ》
検察官「私は男に言われるまま立ち上がり、背後から密着されました。男は包丁を持ったまま私を寝室に連れていき、ベッドの上にあった2枚のタオルのうち、ピンクの方で私の目を隠しました。そして私はベッドに押し倒され、あおむけに寝るかたちになりました。目も見えず、大きな声も出せない状況で恐怖のあまり私は『殺さないでください』と男に言いました。すると男は私に『手をあげろ』と言って、手首を1つにしばり、覆いかぶさってきました」
《ここで検察官がAさんにまたがる田嶋被告の再現写真をモニターに映し出した。被害者の恐怖と、助けてほしいという切実な願いを述べていく検察官。田嶋被告は時折、息を深くはきながら、ほとんど表情を変えずに聞き入っている》
《そして調書の読み上げは、強姦時の詳細な状況説明に入った》
検察官「私は自由を奪われ、強姦されると感じました。男は私に『口をあけろ、舌を入れろ』と言ってきました。私は嫌でたまりませんでしたが恐怖で逆らえませんでした」
検察官「男は私が来ていたTシャツとブラジャーをまくり上げました。私が恥ずかしさで胸元を隠そうとすると左の乳房にチクッとしたものを感じました。男は私に「まだあるからな」と言いました。男の言葉と胸の感触で私は男が包丁を突きつけていることが分かりました」
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (2/3ページ)
《再びモニターにAさんが包丁を突きつけられている様子の再現写真が映し出される。検察官は、「再現写真での被害者役は上着を着ていますが、実際にはAさんはTシャツとブラジャーをまくり上げられ、胸が露出していた状況でした」と注釈をつけた》
《その後、引き続き強姦の詳細な状況を説明していく》
検察官「私は目隠しされたタオルのすき間から男が目が合ってしまいました。ぱっちりとした目、大きな鼻が確認できました。赤の他人であることが改めて分かって恐怖感が大きくなりました。あのときの恐ろしさは今も忘れられません」
検察官「男は私に『絶対に見るな、見たら殺す』と言いました。私は本当に殺されるかもしれないと思いました」
《ここで検察官がいったん調書の読み上げをやめ、裁判員に向けて「以降の調書には読み上げない部分があります。その部分はあとで調書の写しを皆さんにお渡しします」と説明した。どの部分を読み上げないのかは明らかにされないまま、強姦の説明が再開される》
検察官「男は私の下着を足首から外しました。私がまたを閉じていると、男は『足を開け』と命令してきました。本当に嫌でしたが、包丁が怖くて足を開きました。男はセックスしました。私は悲しくてたまりませんでした」
《例によってこの時の状況をモニターに映し出す検察官。再現写真とはいえ、モニターをのぞきこむ裁判員の表情が一様に曇る。女性裁判員は口をへの字に曲げ、不快感をあらわにした》
【裁判員3例目(5)】「本当に嫌でした」「悲しくてたまりませんでした」 犯行状況の再現に不快感露わな女性裁判員 (3/3ページ)
《検察官は、さらに状況を説明する調書を読み上げる。田嶋被告の動きがとまり、行為が終わったことを知ったAさんは、絶望した》
検察官「男は私を浴室に連れて行き、またを洗うように指示しました。私が訳も分からず頭からシャワーを浴びてしまうと、男はイライラした口調で「またを洗え」と言ってきました」
《犯行の説明を終え、男が金を奪おうとした経緯についての話に移る。検察官は、被害者が目隠しをされていた状況でも、包丁を認識していたことをしきりに主張。逃げられる状況ではなかったことを印象づけながら、説明を続ける》
検察官「私は体中がびしょぬれのまま、男にもう一度寝室に連れていかれました。途中の廊下を歩いているとき、男は私に「金を出せ」と言ってきました。私は包丁を突きつけられていませんでしたが、持っているだろうということは分かっていたので、抵抗すれば殺されると思いました。逆に金さえ出せば生かしてくれるとも思いました」
「私は手提げバックや小物入れからお金を出しました。男は金を奪って満足したのか、私に『頭のいいやつでよかったよ。警察に言ったら殺すからな』と言いました。私が抵抗せずに要求に応じたことを言われたのだと思いました」
「男は私をベッドに連れていき、私がつまずいてベッドの上でうずくまっていました。男は去り際に『1ついいことを教えてやる。窓が開けっ放しだったよ。自業自得だ』と言いました。カーテンのほうから音がしたので、男がいなくなったと思ったとき、『まだいるからな』と低い声がしました。私はベッドの上でうずくまっているしかありませんでした」
《要求に応じるしかなかった被害者を「素直」と言った一方で、「自業自得」と自らの非はまったく認めずに立ち去った田嶋被告。検察官は、さらに当時の状況説明を続けていった》
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (1/3ページ)
産経ニュース 2009.年9月2日 14:02
《検察官は、「第1事件」と呼ばれる最初の強盗強姦事件の被害者、Aさんの調書をさらに読み上げた。突然の悲劇に見舞われたAさん。田嶋靖広被告(22)が逃走した後の心中もまた、あまりにもつらいものだった》
検察官「午後10時ごろに解放されました。とにかく何をおいても病院に行こうと思いました、妊娠させられたら、人生が終わってしまうと思ったからです」
《その後、台所のシンクの下にあった包丁差しの中から1本の包丁が消えていることに気付き、Aさんは犯行に使われたのが自分の持っていた包丁だったことが分かったという。恐怖におびえたAさんは、残っていたパン切りナイフを護身用に持ち、自ら自分の車を運転し、病院に向かった。そして、おじ夫婦に電話をして警察に被害を届け出た》
検察官「私は犯人を許すつもりはありません。一生刑務所に入っていてほしいと思います」
「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました。実際の時間は30分程度でしたが、ものすごく長く感じました」
「『こんなことで人生が終わってしまうのか』と思いました。その恐怖はどんな言葉を使っても表現できません」
《事件から3年近くが経過したが、Aさんはいまだに事件を思いだし、夢を見てしまうという》
検察官「今でも泣いて眠れない夜があります。『自業自得』なんてひどいです」
「『妊娠したらどうしよう』『病気がうつったらどうしよう』という恐怖感がありました」
「住む世界が変わってしまったのではないか、私自身がよごれてしまったのではないか、という思いがありました」
《右から2番目に座っている、ただ1人の女性裁判員は、悲しそうな目で検察官を見つめている》
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (2/3ページ)
《検察官は最後に、Aさんの被告人に対する思いを改めて口にした》
検察官「犯人は田嶋という名前だと捜査員の方から聞きましたが、私とは赤の他人です。逮捕されたからといって、恐怖や心の傷が癒されるわけではありません」
「田嶋被告は、できるだけ長く刑務所に入っていてほしいです」
《こう述べて、検察官は被害者Aさんの調書朗読を終えた。女性裁判員は、検察官に向かって、軽く頭をさげた》
《検察官はその後、Aさんが事件で右手に全治3日の切り傷を負ったとする診断書を読み上げた》
《次に手にしたのは、Aさんが病院に行った際にかけつけたという、おじの調書だ。Aさんが病院で診断を受けたときの様子が述べられている》
検察官「事件があった日、私は仕事を終え帰宅していました。午後10時ごろ、Aさんの祖母にあたる、私の母に連絡がありました」
《そこで、Aさんが男に強姦されたという話を聞いたという。家族からAさんを迎えに行くよう言われたおじは、すぐに妻と2人で病院に向かった。そこで目にしたAさんの姿は…》
検察官「救急室に連れて行かれると、Aさんは体を震わせていました。看護師に体を支えられ、やっと歩いているようでした。救急室のイスに、崩れ落ちるように座りました」
「Aさんは、顔が青ざめ、目も赤く腫れていました。口がガタガタと震え、話ができない状況でした。『これはただごとではない。強姦されたんだ』と思いました」
「あまりにも震えてかわいそうなので、声を掛けることもできず、ただ見つめているしかありませんでした」
《その後、看護師から警察に向かうよう勧められたおじ夫婦は、泣きながら震えて、声を出すこともできないAさんを支え、青森県警十和田署に向かったという》
検察官「十和田署に向かう車の中でも、Aさんは泣きながら震えていました。私も妻も、声をかけてあげることができませんでした」
「被告は男として許せない。できるだけ厳重に処罰してほしい」
《こうして、検察官はAさんのおじの調書を読み終えた》
【裁判員3例目(6)】「犯人は、私を『自業自得』とあざ笑いました」 悲しげに検察官を見つめる女性裁判員 (3/3ページ)
《その後、検察官はAさんが被害現場のアパートから引っ越したときの状況についての報告書や、DNA鑑定の結果、Aさんの体内から採取された遺留物が田嶋被告のDNA型と一致したことなどを記した報告書などを説明。ここで小川賢司裁判長が声をあげた》
裁判長「それでは、以上で終了しましょうか。後は午後ということにします。午後は1時5分から始めます」
《休廷が宣言されると、6人の裁判員と3人の補充裁判員は、小川裁判長や2人の裁判官の後に続いて、法廷を後にした。田嶋被告は、無表情なまま裁判員が退廷する姿を見つめていた》