【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (1/4ページ)
産経新聞 2009年9月2 日17:34
http://s04.megalodon.jp/2009-0903-2125-27/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021744019-n1.htm
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (2/4ページ)
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2127-15/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021744019-n2.htm
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (3/4ページ)
http://s04.megalodon.jp/2009-0903-2128-44/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021744019-n3.htm
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (4/4ページ)
http://s01.megalodon.jp/2009-0903-2129-41/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021744019-n4.htm
【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (1/3ページ)
産経ニュース 2009年9月2 日18:14
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2131-59/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021827020-n1.htm
【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (2/3ページ)
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【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (3/3ページ)
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【裁判員3例目(15)】「女性に暴力はいけないから強姦した」 驚愕の動機に検察官も唖然 (1/3ページ)
産経ニュース 2009年9月2 日18:29
http://s04.megalodon.jp/2009-0903-2136-59/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021840022-n1.htm
【裁判員3例目(15)】「女性に暴力はいけないから強姦した」 驚愕の動機に検察官も唖然 (2/3ページ)
http://s03.megalodon.jp/2009-0903-2138-09/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021840022-n2.htm
【裁判員3例目(15)】「女性に暴力はいけないから強姦した」 驚愕の動機に検察官も唖然 (3/3ページ)
http://s01.megalodon.jp/2009-0903-2140-31/sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090902/trl0909021840022-n3.htm
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (1/4ページ)
産経新聞 2009年9月2 日17:34
《休憩が終わり、裁判員らが席に戻った。検察官は、2件目の強盗強姦事件である「第4事件」の立証を進めていく。まずは田嶋靖広被告(22)が、犯行動機につながる借金を膨らませていく経緯が捜査報告書から語られる》
検察官「(1件目の強盗強姦事件の)第1事件の時(平成18年7月10日)は(借金は)車のローンの約34万円だけでした。その年の11月21日に成人し、定職があるので借金ができるようになり、銀行や信用金庫のカードローン、サラ金から借金をし、第2事件のときは借金が約310万円になりました」
「母親が掛けていた学資保険が満期になり、昨年10月に5社の借金を返済しましたが、まもなく新たに借金するようになり、第3、第4事件のときには約330万円になっていました」
《ここから、田嶋被告の取り調べを担当した男性検察官が、被告の供述調書をもとに借金がどうやって第3、第4の事件に結びついたかを明らかにしていった。休憩を挟んだばかりだったが、向かって右から3番目の男性裁判員が肩を回すなど、やや疲れた様子をみせた》
《田嶋被告は、平成18年3月から親類が経営する不動産管理会社で営業の仕事に就き、給料は月額で18年ごろに約10万円、19年ごろに約15万円、20年ごろに約18万円だった。そのほかに住宅を販売すると1棟につき数十万円のボーナスがあったという》
検察官「祖母と暮らす自宅の家賃で4万5千円、光熱費として2万円、携帯電話代で2万5千円、食事は毎日外食していたので毎月数万円かかっていたと思います。これを給料から差し引くと遊び歩く余裕はありませんでした。
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (2/4ページ)
《金銭的な余裕がないにもかかわらず、田嶋被告は借金を重ねながら、時には毎日スナックで飲み歩いたり、パチンコにふけるようになり、身をもち崩していく。検察官が田嶋被告の弁解を読み上げていく》
検察官「スナックでは友達の飲み代も気をよくして払っていました。パチンコは仕事の暇つぶしで始めるようになり、仕事をせずに朝から晩までしていることもありました。学資保険で100万円返済しましたが、残りは飲み代とパチンコ代に使いました。借金の返済はどうにかなるだろうと考えていました」
《田嶋被告のあまりの身勝手さが明らかになると、向かって左から3番目の男性裁判員が反応し、険しい表情で何度も被告の方に目線を送った。検察官の朗読が続く。女性裁判員は顔をしかめたり、目を細めるなどしている》
検察官「12月29日の仕事納めで12月分の給料をもらいましたが、飲みに行くなどして使ってしまい、1月5日の時点で財布には数枚の小銭しかありませんでした。自分名義の預金もほとんどありませんでした」
「銀行や労働金庫の返済で数万円、サラ金の返済で3~4万円必要だと思っていました。サラ金の取り立てが厳しいだろうと思い、『職場や自宅に催促が来るかもしれない。祖母を悲しませたくないし、職場の社長にばれれば解雇されるかもしれない』と不安になりました」
「今までにも盗みや強盗をしてきたが警察に捕まっていないので、今回もうまくやれば逮捕されることはないだろうと思いました。(窃盗未遂となった第3事件で)お金を盗めなかったので、第4の事件を起こしました」
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (3/4ページ)
《第3事件で失敗した田嶋被告は、以前に盗みに入ったことがあるBさん宅に狙いを定める。Bさん宅周辺の人通りが少なかったことなども影響したようだ。そして、田嶋被告は以前の盗みで、Bさん宅が女性のひとり暮らしだということを認識していた》
検察官「(犯行時間が)午後7時ぐらいになっていたので、女性が仕事から帰ってきているかもしれないと思いましたが、学生時代に柔道をやっていて腕力には多少自信があったので、力ずくで押さえつけて、金を奪えると思っていました」
《田嶋被告は、作業着に運動靴、軍手を身に付けると、覆面用のニット帽と手錠を持ってBさん宅に向かう》
検察官「女性の部屋に明かりがついていましたが、何とかしてお金を手に入れたいと思っていたので、『空き部屋の水道管が破裂したので、水道管を見せてほしい』とうそを言うことにしました」
《検察官は、裁判員の前のモニターに、田嶋被告がニット帽をかぶって覆面した姿を映し出した。女性裁判員が口をもごもごさせて反応する。供述調書は、強姦事件の核心に入っていく》
検察官「女性に顔を見られないよう覆面し、少しだけ開いたドアを強く引いて、土足のまま入りました。女性がとっさに逃げましたが、捕まえて手で口を押さえ、『騒ぐな。おとなしくしろ』と脅しました」
「両手首に手錠をかけ、『殺されたくなければおとなしくしろ』と脅し、抵抗できなくしてから手提げ袋の財布から4万8千円~4万9千円を奪い、作業服のズボンのポケットに入れました」
「女性が生意気な口答えをしてきたので、強姦して制裁を加えてやろうと思い、『態度でかいぞ。殺されたくなかったらだまれ。払えるものがないなら身体で払え』と脅しました」
【裁判員3例目(13)】「うまくやれば逮捕されない」 多額の借金抱えて2件目の強盗強姦事件へ… (4/4ページ)
《女性は危険を察知し、田嶋被告に体当たりするが、背後から捕まり両腕できつく締め上げられてしまう。女性が四つんばいに倒れ込むと、田嶋被告は全体重をかけてさらに脅迫した。田嶋被告の卑劣な犯行に女性裁判員は厳しい表情を浮かべる。検察官は直接的な表現で暴行の様子を再現する》
検察官「欲情し、女性に『脱げ』と命じました」
《第4事件について田嶋被告が語っている調書の読み上げは続いていく》
【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (1/3ページ)
産経ニュース 2009年9月2 日18:14
【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (2/3ページ)
弁護人「被害者が自宅にいることを知ることができましたか」
被告「いいえ」
弁護人「被害者が自宅にいたので、強盗したのですか」
被告「はい」
《弁護人は、田嶋被告があくまでも当初は“窃盗目的”で、“強盗目的”ではなかったと強調する》
弁護人「あなたの経験からすると、強盗だからといって、窃盗よりお金がとれるわけではない、と思っていましたか」
被告「はい」
弁護人「(第4事件で)包丁や刃物のような凶器を持っていきましたか」
被告「いいえ」
弁護人「最初から強姦しようと思っていましたか」
被告「いいえ」
《はっきりとした口調で弁護人の質問に答えた田嶋被告。続いて、検察官からの質問が始まった》
検察官「第2事件の犯行は間違いないですか」
被告「はい」
検察官「部屋に入った方法は何ですか」
被告「窓ガラスを割って入りました」
検察官「窓ガラスに粘着テープを張った理由は?」
被告「ガラスが割れたときに散らばりにくいと思いました」
検察官「部屋に入った目的は?」
被告「窃盗目的です」
検察官「借金を返済するお金が欲しかったのですか」
被告「はい」
検察官「あるいは遊ぶお金?」
被告「はい」
《その後の質問で、田嶋被告は第2事件と第4事件の被害者Bさんの部屋を狙った理由について、高校生のころ、Bさん宅近くの部屋に盗みに入った経験があったことを明らかにする》
検察官「盗みに入りやすかった?」
被告「はい。部屋と部屋の間に高い木があり、大きな道路にも面しておらず、人の目もつかない場所でした」
検察官「高校のころ盗みに入った部屋を狙わなかった理由は何ですか」
被告「すでに空き家になっていました」
【裁判員3例目(14)】「目的は窃盗でした」2回目の被告人質問 あらためて強盗目的否定 (3/3ページ)
検察官「(第2事件で)Bさんの部屋では何を盗みましたか」
被告「現金2千円やゲーム機の本体、バッグなどです」
《盗品はバッグに入れて持ち帰り、ゲーム機は売ってお金にかえたという》
検察官「女性の1人暮らしだと分かりました?」
被告「はい。置いてある物や、部屋の雰囲気で分かりました」
《各事件について、詳しい状況を明らかにしようと質問を続ける検察官。田嶋被告が犯行の際に準備した所持品の意味について問いかけを続けた》
《田嶋被告は感情の起伏をほとんど見せない。右端の男性裁判員は上半身を前にかがめ、質疑の行方を見守っている》
検察官「手錠をかけると現金を盗みやすかった?」
被告「いいえ」
検察官「では、手錠を準備した理由は何ですか」
被告「そういうものを持っていた方が、安心できました。手錠をはめれば身動きが制限できるので、逃げるすきができると思いました」
《検察官は犯行の目的について問いただす》
検察官「第3事件で部屋に入った目的は何ですか」
被告「窃盗目的です」
検察官「サラ金に返済するためですか」
被告「はい」
検察官「この部屋を狙った理由は何ですか」
被告「家賃が高めで、お金を持っている人が住んでいると思いました」
《ここから、検察側は2件目の強盗強姦事件である「第4事件」について、田嶋被告への追及を始めた》
【裁判員3例目(15)】「女性に暴力はいけないから強姦した」 驚愕の動機に検察官も唖然 (2/3ページ)
検察官「強盗目的だったのに、強姦までしたのはなぜですか」
被告「そのときは自分がイライラして、腹が立っていました。調書の表現を使えば、制裁を加えないといけないと思ったということです」
検察官「制裁ですか。その制裁の手段として強姦を選んだのはなぜですか」
被告「ける、たたく、殴るということは、女性に絶対にしてはいけないと教えられていました。なので、そういう暴力以外で思いついたのが強姦でした」
《強姦は暴力ではないともとれる判断に、テンポよく進んでいた検察官の質問に少し間があく。気を取り直したように、検察官が当然の疑問をぶつける》
検察官「えーと…。とはいえBさんの首をしめたりはしているわけですよね?」
被告「はい」
検察官「Bさんの受け答えに腹が立ったということですか」
被告「そうです」
検察官「どういう言い方ですか」
被告「全体的な言い方です」
検察官「Bさんは自分に対してどうあるべきだと考えていたのですか」
被告「そこまで深くは考えていないですが、単純に言い方が気に入りませんでした」
検察官「従順であるべき、要求にしたがうべき。そのように考えていたということですか」
被告「…そうかもしれません」
【裁判員3例目(15)】「女性に暴力はいけないから強姦した」 驚愕の動機に検察官も唖然 (3/3ページ)
《検察官が質問を終えた。田嶋被告が強盗目的で侵入したこと、被害者に対して高圧的な感情を抱いていたことを、本人が認めるような発言をしたことで、弁護側は必死に発言の真意を問う補充質問を行う》
弁護士「Bさんの家に盗みに入ったのは、高校時代に近くの家に盗みに入った経験があったからですね?」
被告「はい」
検察官「最初から強盗目的で侵入したとも取れるような発言をしていますが、できればBさんがいない状態で盗みに入りたかった、という気持ちは持っていましたか」
被告「ありました」
《ここで弁護士の補充質問が終了。裁判長が「では第1から第4事件までの証拠調べのなかで、裁判所側から質問したい内容をいったん精査させてもらいます」と述べ、15分間の休廷に入った。休憩後に裁判所からの質問があるようだ。果たして6人の裁判員から質問はあるのだろうか》